目線はどこに

皆さんはピアノを練習するときの目線はどこを向いているでしょうか。

次のレッスンまでの間にある程度迷わず両手で弾いて来られる生徒さん、じっくり片手ずつからの生徒さん、なかには今回は練習不足かなと感じることも…たまにはそんなこともありますよね💦

どんな生徒さんにも共通してお伝えしたいことは、手元を見過ぎないほうが良い効果がたくさんあるということです!

どんな効果があるでしょうか?

①楽譜を読みながら弾くことができる

楽譜を先読みしながら弾くことでつながりを意識して弾くことができます。

譜読みの段階で音符と指を交互に見ながら1音ずつ読むようにしてしまうと、小さな子が一文字ずつひらがなを読む文章のつながらないようなフレーズになってしまいます。ある程度進んだ生徒さんも新曲になると意外と1音ずつ読んでしまうこともありますので注意してみましょう。(パソコンのブラインドタッチのようなものです)

※そもそもまだ音がスラスラ読めない段階では音名で歌えるようにしてからの方が良いですね。

そして楽譜には他にも色々な情報が書かれています。フレーズだけでなく、テンポ・強弱・音楽用語など…それに頭に入ったと思っても音を間違って覚えていたりリズムが違うことに気付く場合もあります。それらはいつも楽譜を見ていないとスルーしてしまうものです。

②感覚で動きを考えたり覚えることができる

楽譜を読むことができても鍵盤の場所や指の動きを理解していないとフレーズを表現することができません。導入期の教材では5本の指のポジションに音が並んでおり、手を見なくても弾くことができます。ソナチネなどの中級期でもフレーズでは音階のポジションや3~5度の中など開いた手の中で進むことも多く、大きく跳躍する場合以外は手を見ないで弾けるところも多いため、手を見ないことでフレーズの動きがつながりやすくなると考えています。①と似ているようですが表現のための動きという点では一段階深い内容となります。

さらに動きがつながりにくい・指がまわりにくいところの動き方をレッスンで伝えますが、そのような動きも力の入れ方・抜き方・向きなどを手を見ない方が感覚をつかみやすくなります。

③聴くことに集中できる

自分の出す音を集中して聴きとることができるのもメリットの一つです。正しい音で弾けているかということも大事ですが、音のバランスや表情を注意深く聴くことも重要です。

例えば扉の向こうで家族が自分のことを話しているとします。その内容をどうしても内緒で聞きたいとき…どうしますか?きっと耳を扉に近づけますね。目線はどうでしょう、多くの人は扉ではないところ (意識しないところ)に目を向けるのではないでしょうか。

そうすることで聴きとることに集中することができるのですね。

どんな音を出したいか考えて、その通りに出せたかを聴いて確かめながら音作りをします。

①~③を同時にできる生徒さんもなかにはいらっしゃいますが、ほとんどは別々に練習する必要があります。このような点から、ある程度覚えてしまっても普段から楽譜を見ながら弾くようにしてみるとよいと思います。発表会などではこれができたうえで暗譜をするのが理想です💡

習い始めのお子さんにもワークブックなどで手元を隠してあげて弾いてもらっても、案外弾けることも多いです。ずれてしまうことを怖がらずにチャレンジしてみるといいですね。

手を全く見てはいけないわけではないですから(見ないと弾けない部分や曲もあります)、いつも手を見て弾いている方は少しずつ意識してみると数か月後または年単位の方もおられるかもしれませんが…確実に演奏は良い方向に変わっていきます✨

目は楽譜・耳は奏でる音に集中

ピアノのヒント

2023.1.17

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