2022.11.30 作曲家
クラシック|ベートーヴェン|作曲家
「大作曲家の生涯と、そのつながりを探る」先月から1ヶ月ごとに開かれている恩師の講座を今月も受講してきました。
3回シリーズのうちの第2回目、ベートーヴェンについてのお話です。サブタイトルは、
『楽聖ベートーヴェンは気むずかし屋で変わり者??』
ベートーヴェンといえば耳が聞こえない作曲家で有名ですが、数々の名曲を残していますね。どんな人だったのでしょうか。
ベートーヴェンについて
ベートーヴェンはモーツァルトと同じように幼少期から音楽の教育を受けて育ちました。父から受けた音楽教育はとてもスパルタで、食事を抜かれたり夜中でも起こされて練習を強いられるものだったようです。ベートーヴェンの父はベートーヴェンを天才モーツァルトのようにしたかったのだとか!
そんな教育にピアノを弾くのが嫌いになるほどでしたが、サリエリやハイドンなど演奏家や作曲家に弟子入りしながら音楽家として成長していきました。16〜17歳の頃に当時30歳を迎えたモーツァルトを訪ね、演奏を聴いてもらう機会があったようですが、色々な事情でモーツァルトへの弟子入りは叶いませんでした。
28歳の頃から難聴の症状が出始め、次第に耳は聞こえなくなってしまいました。(耳硬化症という病気だったのではないかと言われています)ピアノソナタ「悲愴」も難聴になった頃に書かれました。
しかしその後もベートーヴェンは名曲を立て続けに発表し、交響曲・ピアノソナタ・オペラなど発病したのち完全に耳が聞こえなくなってからでも数々の名曲を残しています。交響曲「運命」は代表的な作品ですね。
交響曲第九番(通称「第九」歓喜の歌)も晩年の作品ですが、今でも年末になるとよく聴きます。
ベートーヴェンは身なりにはとても無頓着で、家からふらりと出かけると2.3日は帰ってこないこともあり、浮浪者と間違えられて捕まってしまったこともあるそうです。
また癇癪持ちで部屋も片付けることはなく、住めなくなったら引越しを繰り返し…なんと生涯で79回も住む場所を変えていたようです。ご近所トラブルや、曲が頭に浮かんだら部屋の壁に書いてしまって大家さんに叱られたのも原因のようです。
それでも壁に曲を書き続け、仕舞いには大家さんが壁に紙を貼っておくとそこにベートーヴェンが曲を書き、大家さんがこっそり誰かに売るなんてこともあったとか…
こんなエピソードから変わり者と呼ばれたベートーヴェンですが、家に遊びに来た子どもに喜んで、お菓子を振る舞ってお話を楽しんだという純粋な一面もあったようです。
ベートーヴェンの弟子にカール・ツェルニーがいます。あのツェルニー◯番練習曲でおなじみの人物です。そしてそのツェルニーに師事したのがピアノの魔術師と呼ばれたフランツ・リストです。
作曲家が繋がっていきますね。
・・余談ですがこの時代にメトロノームができて、ベートーヴェンはメトロノームをとても気に入って使っていたようですよ🎶
最後に恩師のお話しより…
ベートーヴェンはモーツァルトのように天才的にすぐに曲を書けた訳ではなく、曲を書いてからも修正に修正を重ねて作曲していました。
気難しいと言われた彼ですが、こだわって何度も書き直されたメロディーや和声の移り変わりを、我々も1音1音応えるように大切に弾かなければなりません。
2022.11.24 その他
ピアノ|楽器の選び方
ピアノを始めるときによく悩まれるのが、家に楽器を持っていないけどどんな楽器を用意して練習したら良いのか?ということです。
今回は使用楽器についてのお問い合わせもありましたので、調べてまとめました。
※令和4年11月現在・・時代とともに楽器もだんだん改良されています。もしこんなところが変わった・ここはそうではないのでは、という点がありましたら、内容を見直して参りますので情報をお寄せいただけると幸いです。
一般的にアコースティックピアノ(生ピアノ)と呼ばれるものは2つ、グランドピアノとアップライトピアノです。アコースティック以外には電子ピアノとキーボードがあります。
どのような違いがあるのでしょうか?
キーボード
一番手軽に購入でき、鍵盤も軽く押しやすい。鍵盤の数がアコースティックでは88鍵に対し、32〜61鍵などコンパクトなものが多いのか特徴。もちろん88鍵のものもある。鍵盤の大きさはアコースティックピアノよりも小さいものもある。
アクション構造ではないので軽く触っただけで音が出るが、普段キーボードで練習していると、アコースティックピアノを弾いた際には弾きにくさを感じる。ペダルはコードでつながるものもあるが、あくまで音を伸ばす簡易的なものである。
電子ピアノ
形はアップライトに似てペダルも付いている。価格はアコースティックピアノより手に入れ易いものが多い。メーカーやグレードも様々なものがあり、タッチがキーボードに近いものからアコースティックピアノに近づけたものまで色々な種類がある。音はスピーカーから出ており、音量調節ができたり夜間はヘッドホンをつけて演奏することもできる。
ピアノに近づけたアクション(タッチ)だとレッスンや舞台のアコースティックピアノで音を出すときの相違は感じにくい(実際にアコースティックと同じハンマーを使っているものもある)。しかし電子ピアノは音自体がサンプリングされたものを組み込まれているため、乱暴な弾き方や弱いタッチでもある一定のきれいな音が出てしまう。それによって表現力が育ちにくい点もある。
調律は必要なく、集合住宅などの事情でも選ばれやすい。
アップライトピアノ
打鍵するとハンマーが弦に当たり、響板と呼ばれる板に響いて音が鳴る。アクション構造のため、打鍵のスピードや力加減による音色を変えられる表現力が身につく。電子ピアノにはない共鳴を感じることができ音感も身につく。
毎年の調律が必要。音量調節ができないため住宅事情などにより設置が難しい場合もある。価格はメーカーやグレードによって異なるが、電子ピアノよりも高い。
グランドピアノ
アップライトと同じアコースティックピアノ。古くからピアノはこの形をしており、コンパクトにしたものがアップライトピアノである。
アクションはてこの原理でハンマーを下から打つため、細かいトリルや連打をしやすい。メーカーにもよるが、アップライトよりもタッチがしっかりしていることが多い。伸びのよい豊かな響きと多彩な音色表現ができ、演奏者としての耳やテクニック、表現力が育つことが期待できる。
調律が必要。置き場所の問題もあり、価格も高額である。
最近の電子ピアノやアコースティックピアノも進化してしていますので、少しずつ変わってきていると思いますが、私が現在感じている違いはこのようなことです。
好きなメロディーを弾いて個人的に楽しめるキーボード、ペダルを付けたりピアノ曲を弾く目的なら電子ピアノ、クラシックを音色までこだわって弾くならアップライトやグランドピアノなど、それぞれの用途や目的に合わせて用意することが大切ですね。
最後に・・・発表会の舞台やコンクール、オーディションなどで差がつきやすいのはやはりアコースティックピアノで練習をされている方で、それは構造上仕方のないことだと思います。
普段電子ピアノなどで練習されている方も本番の前に何回かアコースティックのピアノで練習すると(レッスンとは別に)少しは違いが出せると思いますので、レンタルスペースなどを借りて練習することも一つの練習方法です。
※レンタルスペースをお探しの方は近くの楽器店をご紹介しますのでいつでもお問い合わせください。
2022.11.20 その他
生徒さんの演奏|結婚式
ここのところ良いお天気が続いていましたね。
天気も日柄も良い日のこと、生徒さんが結婚式の余興での演奏を無事に終えられたとのご報告をその日のうちにいただきました。
初めて人前で演奏する機会となりましたが、ご依頼主である新郎新婦や列席された方にとても喜んでいただけたとの嬉しいご報告でした✨
ご感想より・・・
「いくつかの音は間違えてしまいましたが、それも想定の内と動揺することなく演奏することができ、大成功でした!」
素敵な式となったようで大変嬉しく思います。
練習通り100%の力を出すことは難しいことですし、私も人前での演奏はどちらかというと苦手です。
それでも誰か1人でも心に響く演奏ができたら本当に素晴らしいことだと思います。それはミスなく弾けるということより、気持ちのこもった演奏だったりひたむきさを感じる姿が聴いている人の心に届くのだと思います。
積み重ねる努力が必要だったりプレッシャーもありますが、終わったあとの達成感はかけがえのないものです。
幸せのお裾分けをいただいたような気分になりました🍀
2022.11.9 その他
生徒さんの演奏|発表会
先週末に秋の発表会を無事に終了しました。
春に出られなかった大学生の生徒さんたちと高校生、春にも出られた生徒さんも出演してくださいました。
今回は出演された皆さん全員が音を磨きながら仕上げることができましたね✨
私は今回生徒さんとも連弾をしました。弾いている途中緊張している様子でしたが、無事にあと少しで終わりそうというときに感動が押し寄せてきました✨
また、独奏のトリを飾ってくれたのは多数演奏会にも出演されている自慢の生徒さん、音が光ってお手本のような演奏でした😊
舞台に立って演奏することは家での練習よりも飛躍的に上達すると言われています。本番に向けて仕上げることで技術面も精神面も成長するのだと思います。
実際色々な生徒さんを見ていると、発表会のあとに今までの教本よりもっとレベルアップした楽譜に変更する方もたくさんおられます。
発表会は参加しなければいけないわけではありませんが、もし出てみようか迷われている方はいつでもご相談ください(4月の発表会を予定しております)。
もちろん個性もありますから、人前で弾くのは…と思われる方は無理せずご自身のペースで頑張っていきましょうね。
生徒さんとの連弾♫
2022.11.4 その他
伴奏|合唱コンクール|生徒さんの演奏
先週、今週と各中学校で3年振りとなる合唱コンクールが行われ、それぞれの中学での伴奏を務めた生徒さんのご家族の方が写真や動画など送ってくださいました。
できる限り足を運びたかったのですが、コロナの関係で来場者は家族から1人のみとされた学校もあり、当日聴くことができなかった学校もありました。
私も息子の中学の合唱コンクールを聴きに行き、同じ中学の生徒さんの演奏も聴くことができました。
会場は大ホール、ピアノはなんとスタインウェイのフルコン!以前はYAMAHAでしたが、このピアノで伴奏できるとは幸せですね。
以下生徒さんへ向けての内容となります。
どのクラスよりピアノの音が客席まで飛んできました。とご連絡いただいた生徒さん、受験生でほぼ毎日塾がありながら音を作る練習をしました。
思えばお兄ちゃんも同じ曲で伴奏者となりましたね✨思い出深い曲となりました。
ある生徒さんは、レッスンで私が伝えた細かいところも次のレッスンで楽譜に書き込んで来られていました。これができたのは彼女だけです。またレッスン中でも出た音を良く聴き取り、自分でバランスについて深く考えながら仕上げることができましたね。とても成長を感じました✨
そして会場で聴くことのできた生徒さん。オーディションのときから前奏にこだわって練習してきました。講評にて、前奏について褒めていただいたようですね😊途中で何度もテンポが変わる難しい曲でしたが、歌を引っ張ることができました。
伴奏できるといいな、から始まった彼女は夏休みから本番まで毎日練習しました。手も小さく掴みにくい箇所があり練習では苦労しましたが、本番では外れやすいところが次々と成功し、聴いていて涙が出ました。色んな人から褒めてもらえてよかったですね👏
オーディションからどんどんレッスン内容を吸収して、毎回のように演奏が見違えるようになった生徒さんも。ブランクがあるとはとても思えないような成長は、今回彼女が一番でした。歌心のある演奏と、落ち着いた咄嗟の判断も感心しました。ゆっくりになる前の歌への受け渡しの音がとても素敵でした✨
そして音にこだわって仕上げた生徒さん、講評では一番伴奏が良かったと書いていただきました!私からその音が強いだの弱いだの言われながら、よく練習して自分のものにできましたね。歌も伴奏も難しく、その割に伴奏が舞台で映え難い曲でしたが、気持ちのこもった伝わる演奏でした✨
今回の合唱コンクールを通じて生徒さんたちの成長を一番近くで感じることができました。
今回ご家族の方から感謝の言葉もたくさんいただきましたが、私からも支えていただいたご家族の皆様に感謝いたします。
生徒さんの保護者様が素敵な写真を撮影してくださいました。ご厚意により使わせていただけるとのお言葉をいただきましたので掲載させていただきます。感謝申し上げます。
2022.10.31 その他
クラシック|コンサート|高嶋弘之
日曜日に行われたコンサートでのお話です。
私は現在コンサートホールでの催しのお仕事もしています。10月最後の日曜日にもコンサートがあり、その日はアナウンスの仕事をしてきました。
今回の公演は、かーるくラシックシリーズ・クラシック×ザ・ビートルズ
ビートルズの楽曲を2人のヴァイオリンとチェロ、そしてピアノで演奏される1996カルテットというグループの演奏です。
私はビートルズの曲を一時期よく聞いていたこともあり、好きな曲が演奏されるといいなぁなんて思いながら仕事に向かいました。
打ち合わせの際に高嶋社長のプレトークがありますと聞き、へぇと思いながらホワイエを見ると、どこかでお見かけした姿・話し声…なんとヴァイオリニスト高嶋ちさ子さんのお父様、高嶋弘之氏がいらっしゃいました!
高嶋氏といえばビートルズの日本における初代ディレクターであり、ビートルズの楽曲の邦題はこの方が付けたと言われていますね。
ホワイエに高嶋氏所蔵のビートルズのレコードやサイン、世界に一つしかないものまで展示されており、その横で杖を使ってレコードを指しながらあれこれと饒舌に職員に説明しておられました。
案の定公演前のプレトークでもエンジン全開で話され、私の開演前アナウンスは時間がなくなり大幅にカットとなりました…!テレビで見る通りの楽しい方でした😃
なんでも邦題では少し誤訳をしたものもあるとか、ビートルズが来日した際の彼らの様子などなど、興味深い話も盛りだくさん。
演奏も時間オーバーしてアンコールまで、ビートルズファンの方にとってはかなり嬉しい内容だったと思います。チケットもなんとワンコイン!!500円とは思えないコンサートでした✨
2022.10.25 作曲家
クラシック|モーツァルト|作曲家
先日はとある講座を受けてきました。
「大作曲家の生涯と、そのつながりを探る」
恩師が講座を開かれるとのことで栄の名古屋音楽学校へ、久々に名古屋まで足を伸ばしました。
3回シリーズのうち今回は第1回目、モーツァルトが取り上げられましたので、その中から印象的なお話です。
モーツァルトについて
モーツァルトは5歳で初めて作曲し、その頃から旅行という名の演奏活動(就職活動)をしていました。神童とも呼ばれ、幼い頃から演奏者としても作曲家としても類い稀な才能を発揮していたモーツァルトですが、彼の作品が今のように評価され有名になったのは35歳で亡くなったあとでした。
14歳の頃には教会で聴いた門外不出の曲ミゼレーレをたった一度聴いただけでほぼ完璧に楽譜に書き取ったそうです。それもなんと9声の合唱曲を!
同じ歳頃の中学生の生徒さんは合唱をしていますから3声のパートを一回聴いて書き取るとイメージしてみてください。不可能ですよね💦9つのパートを聴き取り、さらに頭に記憶して教会を出てから書いたということですから、どれほどモーツァルトが凄かったかが分かる逸話ですね。
門外不出だったミゼレーレ(アレグリ)は現代ではYouTubeで手軽に聴けてしまいます…
皆さんがご存知の通りピアノ曲のトルコ行進曲やきらきら星変奏曲もモーツァルトが作曲しています。オペラや交響曲・協奏曲など有名な曲もたくさん残しています。
演奏してみると派手な飾りのないシンプルな音だからこそごまかしはきかず、表現は難しいと感じます。
また他の作曲家と比べても高周波音が含まれている曲が多く、聴くだけで脳への良い刺激がありヒーリング効果も高いようですよ🍀
お時間のあるときに癒し効果のあるモーツァルトの楽曲を聴いてみてくださいね。
2022.10.16 日々のレッスン
レッスン|脱力
最近ピアノのレッスンで行なっている良い音を出すためのトレーニング、これは良い音を出すためだけではなく楽に弾けるトレーニングでもあります。
一見弾くこととはかけ離れているように思える練習ですが、これを取り入れてから生徒さんの音にすぐに変化がみられました。継続して定着できると良いですね♪
小さな生徒さんたちも、初めての内容でもすぐに覚えてどんどん吸収しています!(画像は低学年向け生徒さんのトレーニングシートの一部です)
曲を弾くだけではない地道な練習ですが…出したい音が作れる指と耳を育てましょう🌱
2022.10.16 その他
Live|生徒さんの演奏
ピアノレッスンに通ってくださる生徒さんの中には、ピアノ以外の楽器を演奏する方もおられます。
軽音楽サークルに入ってバンド活動もしている大学生の生徒さん、最近では自分で作詞作曲をしてギターで弾き語りもしているそうです✨
冬に福岡で合同のライブに参加するとのことで、「自作曲のコードが合っているか確認してください」とレッスンで聴かせてくださいました🎶
彼女らしくかわいい歌詞と歌声が曲の世界観とよく合っていて、すぐに心を掴まれました!そしてこんなに素敵な曲を書けることに嬉しい驚きを感じました。コードについても何も言うことはありません。良いライブとなりますように😊
色々な分野で活躍してくれて、私も元気を貰っています!
2022.10.8 日々のレッスン
レッスン
ピアニストの演奏を聴くと、とても楽に弾いているように見えますね。
でも出ている音は芯があって、かつ重くない。
学生の頃、リスト音楽院の先生のレッスンを年に2回定期的に受ける機会がありました。先生の手はとてもとても大きく太い指で、先生から出される音はポンと鍵盤に触れただけで豊かな響きのある音でした。
私たちは海外の方より体も手も小さく、同じ力加減では響きのある音を出すのは難しいですが、うまく脱力を使うと響く音になります。
生徒さんへのレッスンではどのタイミングで力を抜くのか、どこの力を抜けば良いのかを響きを聴き比べながらお伝えしています。
脱力を使うと音が良くなるだけでなく、楽に弾けるようにもなりますね。習得は難しいですが、一緒に学んでいきましょう🎵